もうそばにいるのはやめました。
そんなこんなで
一難去らずにまた一難突撃してきたのが一度に片付いてからまたたく間にデート当日。
彼女として初めての円の家。
同居人としてではなく、彼氏の家に訪問する。
「ど、ドキドキする……!」
もはやこれはドキドキじゃない。
ドックンドックンだ。
彼氏。彼女。
なんてすてきな響き!!
「あっ、念のため身だしなみチェックしとこ!」
今日のためにこっそり練習してきたヘアアレンジのあみこみ。
唯一持ってるフリルとリボンがかわいらしいワンピース。
穂乃花ちゃんに教えてもらったナチュラルメイク。
……よし!髪型とメイクは崩れてない。
ワンピースはどうかな。
前は『似合わねぇな』ってけなされたんだよね。
勇気を出して再チャレンジしてみた。
お父さんとお母さんは絶賛してくれたけど……今になって不安になってきた。
「わああまた似合ってないって言われたらどうしよううう」
――ガチャリ。
「家の前でなに騒いでんだ」
「ま、円!?」
右往左往していたら、扉から円が顔を出した。
しょっぱなから呆れられてる!?
「……そ、そんなにうるさくしてた?」
「すんげーうるさかった」
「ウソ!」
「ほんと。玄関にいたからよけいにな」