もうそばにいるのはやめました。


びっくりさせようと考えてたのに。


でもサプライズじゃなくても円のことをよろこばせることはできる!




「お祝いしたい!……いい?」


「なんでだめなんだよ」


「だ、だって誕生日だし……」


「俺は彼女と過ごしたいんだけど?」




頬づえをつきながら上目づかいで見てきて、ドッキューンと撃ち抜かれた。


円が……今……『彼女』って……!!



「わ、わたしも!か……か、彼氏をお祝いしたい!!」


「ん。楽しみ」



円の表情と声色の優しさが、わたしにも伝染する。



デート中に次のデートの約束しちゃった。


円の誕生日に円を独り占めできるなんて!

想像しただけでテンション上がるよ。



「計画とか準備とか頑張るね!」


「まずはテスト頑張れよ」


「あ、そうだった」



楽しみが待ってると思うとテストも頑張れる。


テストが終わったら準備を進めよう。



クリスマスイブだし定番のイルミネーションを見に行ったり、手作りケーキでもてなしたり、プレゼントをあげたり……。


すてきな誕生日にしたいな。



いつも幸せをもらってばっかりだから、円にめいっぱい幸せをあげたい。



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