もうそばにいるのはやめました。
「ファイトだわたし!えいえいっ」
――プルルル、プルルル。
「おぅ!?」
意欲がひゅっと隠れてしまう。
電話か。びっくりした。
「もしもし」
『もしもし、お嬢さまですか?』
「その声は……相松さん!?」
『お久し振りです。お元気でしたか?』
相松さんと話すの3月ぶりだ。
電話越しに聞く相松さんの声は、どことなく円の声に似てる。
やっぱり親子なんだなぁ。
「元気ですよ!相松さんは?仕事忙しいですか?」
『そう……ですね、大変ありがたいことに毎日忙しいです』
含み笑いしてる相松さんが頭に浮かぶ。
『電話したのも仕事の用件だったのですが、社長と奥さまはいらっしゃいますか?』
「お父さんとお母さんは今仕事でいないんです。帰ってきたらかけ直しましょうか?」
『それなら伝言を頼んでもよろしいでしょうか』
メモ用紙に伝言内容を記していく。
ふむふむ。まとめると……こっちでの評判を聞いて、他のホテルでもプロデュースをしてもらいたいってことかな?
お父さんお母さんすごい!
「お父さんとお母さんに伝えますね!」
『お願いいたします』