もうそばにいるのはやめました。
親子ゲンカ
テストが終わってからというもの
あいつの様子がどうもおかしい。
昼休みのチャイムが鳴った。
寧音に声をかけようとしたら、斎藤に先を越されてしまった。
「寧音ちゃん!今日もお弁当作ってきたの」
「わあっ、ほんと!?穂乃花ちゃんのお弁当いつもおいしいんだよね。太っちゃうなぁ」
「寧音ちゃんはもっと太ったほうがいいよ!痩せすぎ!」
「そうかな?それを言うなら穂乃花ちゃんのほうが痩せ……いや、穂乃花ちゃんはスタイルがいいんだ。いいなぁ……」
「もーかわいー!!」
「へ!?どこが!?」
……チッ。
斎藤のやつ、見せつけやがって。
レンズの奥の目がこちらに移されると、勝ちほこったように細められた。
むっかつく。
「これでも飲んで落ち着きなさいって~」
真横から口にストローを突っ込まれた。
ストローの先をたどれば、紙パックの牛乳が。
「カルシウム足りてねぇんじゃねぇの?」
コレをくれた彩希は、ニシシと笑いながら席に座った。
俺の分も購買で買ってきてくれた昼食を俺の机に乗せる。
「足りてるっつの」
「じゃあ心が狭いのか!」
「あ?」
「独占欲強すぎてうざがられねぇといーな?」
「……別に狭くねぇし。独占欲なんか……」
「はいダウト~」