もうそばにいるのはやめました。



「彩希に聞いたんだよ。待ち合わせに遅れるやつは嫌われるって、斎藤が言ってたって」


「あー、穂乃花ちゃんのあの教えね!わたしもそれ聞いて早く来たの!」


「……斎藤め、変な入れ知恵しやがって」


「あっ!昨日1時間も放置したこともそれにあてはまる!?」




昨日は意識させたかったわけでも困らせたかったわけでもないけど、1時間も待たせてしまった。


あれでも超高速で準備してはいたんだけど。



勉強会デートのときも


『あんな騒いでるひまあんならさっさとインターホン鳴らせよ。待ちくたびれただろ』


あまーいお仕置きされた。



もしかして穂乃花ちゃん、円が待つのが嫌いって知っててあの助言を!?

なんて優しいの……!



「あてはまんねぇよ。寧音のこと考えながら待ってんの楽しかったし」


「ほんと!?」


「ほんと。今日は俺のこと考えながら待ってる寧音を見たかった気持ちも少しはあるけど……念のため早く来て正解だった」



さらっとうれしいことを言われた。


なんだかカップルみたい。

カップルなんだけどね!えへ!


わたしの彼氏が今日もかっこいい!!



待ち合わせ時間より早く円に会えたし、早速ときめいたし……クリスマスデート最高!


< 166 / 191 >

この作品をシェア

pagetop