もうそばにいるのはやめました。


……ってニヤけてる場合じゃない!!


クリスマスイブの予定を勝手に変更させちゃったこと謝ってなかった!




「あ、あの……円」


「ん?」


「昨日は……」


「謝んなよ?」




わざとさえぎられた。



お、怒ってる……?


無意識に下を向いていた。



「寧音のおかげで昨日は『すてきな誕生日』になったんだから」



ぱっと顔を上げると、円はやわらかくほころんでいた。



それじゃあごかいをとけて、仲直りできたの?


もう円は独りじゃないんだね。




「っ、よ、よかったぁ……!」


「ありがとな。料理もうまかったよ。特にケーキ。最高だった」


「それもよかったああ~!」


「泣くなよ。泣いたらかわいい顔がブスになんぞ」


「ならないもん!!」


「メイクが崩れて黒ずんでも知らねぇからな。その顔もかわいいって思うのたぶん俺だけだぜ」




冷たくしたり優しくしたり、なんなのもう!好き!



メイク取れたら朝の努力が水の泡になるから泣かないよ。


必死に涙をこらえる顔が不格好でも、また「かわいい」って甘やかしてね。




「誕生日おめでとう、円」


「昨日だけどな」


「手紙だけじゃなくて直接でも伝えたかったの。1日遅くなっちゃったけど今日はわたしが全力でお祝いするからね!」


「おう。楽しみにしてる」


「まずはランチ!予約してるの。行こ!」



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