もうそばにいるのはやめました。


わたしなにかあげたっけ?


首をかしげれば、円は頬をゆるめる。




「コレは俺があげたかったからあげるだけ」


「で、でも……」


「じゃあいらねぇの?」


「いる!」


「ははっ、即答かよ」




円からのプレゼントだもん。

欲しいに決まってる。


本当はわたしも形に残る物を贈りたかったな。


おそろいのアクセサリーとか。



「開けていい?」


「ああ」



受け取ったラッピング袋を慎重に開ける。


中に入っていたのは

淡いベージュを基調としたチェック柄のマフラーと
サーモンピンクに染まるリボンのバレッタ。



「か、か、かわいい……!」



はしゃぐわたしに、円はこっそり胸を撫でおろした。



「朝いっつも髪がまとまんねぇって騒いでたろ?だから結んでソレつけたらいいんじゃねぇかって思って」



今日も騒いでました。

くせっ毛って大変。


だけど、そっか。結べばいいのか。


円あったまいい!




「……それにこの間そういうのついた服着てたし、好きそうだったから」


「それでリボンにしてくれたの?ええうれしい……好き!」


「あとマフラーは……冬だし、クリスマスだし……に、似合うかな、って」


「ありがとう!大好き!!」


「……はいはい。どういたしまして」




手の甲で隠したってバレバレだよ。


わたしのことが大好きだって、赤い顔に書いてある。

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