もうそばにいるのはやめました。
寂しがり屋



今日が終われば冬休み。

通常より早めに学校が終わる。


だというのにゆううつなのは、昨日のクリスマスデートを引きずってるせい。



気分に合わせて髪のクセとネクタイはいつもよりひどいありさま。


マフラーとリボンのバレッタをつけてくる気にはなれなかった。




冬休み前最後だからかやけににぎやかな教室に入った。


机にカバンを下ろすと、穂乃花ちゃんと武田くんに挨拶される。



それから、


「はよ」


円にも。



「お、おはよ……」



後悔。

その言葉が妙にしっくりきた。


後悔……してるんだろうな、わたし。



『行かないで、円……っ』



でもあれが正真正銘、本音だった。



失恋して一度そばにいるのをやめたときだってさんざん悩んで苦しんだのに、住む国がちがったらわたしどうなっちゃうんだろう。



ふと影が落ちてきた。


不思議に思って顔を上げる。



「!?」



円が正面にいた。


い、いつの間に!?



ドキッとして、ズキッとする。

心臓がせわしない。



「ま、円……?」



じっと見つめてどうしたんだろう。

わたしの顔になにかついてる?


それとも……昨日のこと?


< 174 / 191 >

この作品をシェア

pagetop