もうそばにいるのはやめました。
*
すぅ、はぁ、と息を整えて。
インターホンを押した。
扉が開き、円と対面する。
「な、んで……」
まん丸な目にわたしが映る。
寒くてしょうがなかった首元はマフラーに温められ、髪の毛はポニーテールにしてリボンのバレッタを飾った。
学校ではつけてこなかった円からのクリスマスプレゼントを今つけている意味を、勘のいい円ならもう気づいちゃったかもしれないね。
「円!」
「……はい」
「ピアス開けませんか!?」
「えっ?」
黒い目がさらにまあるくなる。
わたしはいたって真面目だよ。
「あ、夜分遅くにごめんなさい」
「それは別にいいけど……は?ピアス?なんで」
順番を間違えちゃった。
一言謝ってからピアスの話だった。
とりあえず上がれよ、と家の中に招いてくれた。
「わたしプレゼント用意してなかったでしょ?それで、贈るなら恋人っぽくおそろいのものがいいなぁって思って、さっきアクセサリーショップに行ってみたの」
ハルくんと別れてダッシュで商店街に戻った。
閉店の準備をしていたアクセサリーショップに寄って、店員さんにも相談しながらプレゼントを選んだんだ。