もうそばにいるのはやめました。


「そこでコレだ!って物を見つけたの」


「それがピアス……?」


「そう!」



隠し持っていた袋からプレゼントを取り出す。


あっ、ラッピングしてもらうの忘れてた!

ま、まあいいよね!大事なのは中身と気持ち!



このピアスはスタッドタイプっていうんだって。


ぶら下がる物じゃなくて、耳たぶの表面を輝かせるようなアクセサリー。



「見てみて!かわいいでしょ?」



片方は円の髪や目の色みたいな
漆黒の光を放つ石。


もう片方はわたしの髪色に似た
淡い赤に彩られた石が飾られてる。


値段は安いけどシンプルでおしゃれ。



「だけど俺も寧音もピアス開けてねぇじゃん」


「だから一緒に開けようよ!」



ちゃんとピアッサーと消毒液も買ってきたよ!



「……なんでそこまでピアスにこだわるんだよ」



もちろんかわいいからだけじゃないよ。

指輪より、ネックレスより……ピアスがよかった。



「アクセサリーってそれぞれ意味があるんだよ。例えば指輪なら『あなたはわたしのもの』、ネックレスなら『独占したい』とかね」


「ピアスは?」


「ピアスの意味は……『いつでもわたしの存在を感じて』」


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