もうそばにいるのはやめました。


なにもない。

なかったって、わたしも断言したい。


なくなってしまえ。


無意識に頭を埋め尽くしてる「円」も。

全部、全部。


関係は元に戻らない。


だから、せめて、ただのクラスメイトになりたい。



『同居も終わることだし、これからはもうそばにいるのはやめるね』



ああ宣言するだけじゃだめなのかな……?




「席も決まったことだし、今度は文化祭について決めてくぞー」



ずいぶん遠くなった黒板に、白い文字が書かれていく。


文化祭実行委員。

文化祭におけるクラスの責任者のことだ。



「委員に立候補する人はいるか?」



文化祭の委員会かぁ……。


たぶん忙しいよね。

クラスのリーダー的存在になるんだし。


……ていうことは、仕事のことで頭がいっぱいになるんじゃない?


円のことを考える余裕もなくなるんじゃない!?



わたしって天才かも!!




「はいっ!」


「お!竜宝、立候補するか」


「全力でやらせていただきます!」


「賛成の人、拍手」




先生の一言で拍手が起こる。


誰かを頼るんじゃなくて、誰かに頼られる。

そんなリーダーになりたい!


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