もうそばにいるのはやめました。


また拍手で満ちていく。


穂乃花ちゃんとなら安心だ。



「寧音ちゃん、一緒に頑張ろうね」

「うん!頑張ろう!!」


「委員の2人は前に出て、早速クラスの出し物を決めてほしい」



窓際にずれた先生に手招きされ、教壇に立つ。


ここから見渡せば、たやすく円を視界に入れられる。



ねぇ、どうして

心配そうな顔してこっち見てたの?



「あ、えっと……わ、わたし、黒板に案を書いていくね」


「わかった。ならあたしが仕切るよ」



白のチョークを手にして、黒板と向き合った。


よし。これで視界に入らない。



これでいいんだよね……?



「やりたい出し物がある人いますか?」



「カフェとかやりたい!」

「定番だねぇ」

「メイド喫茶は?」

「メイドより執事がいい~!」

「ウチのイケメンをこういうときに利用しなくてどうするの!」

「いやいや、それを言うなら前を見てみろ。斎藤さんのかわいさは異次元だぞ」

「いやいやいや!このクラスには相松くんと武田くんの二強がそろってるんだよ!?」



クラスメイトが白熱してる。ほとんど女子と男子に分かれて対決状態だ。


メイド?執事?
文化祭で?


今まで通っていた学校の文化祭と似たイベントごとでは、喫茶店というより立食会のようなものだったし、大きなパーティーを必ず催していた。


この学校ではそういうのはやらないのかな?



どんな文化祭になるんだろう。


大変だといいな。

そして楽しかったら、いいな。


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