もうそばにいるのはやめました。
ちょっと落ち込んでる自分がいた。
意味わかんね。
なんで落ち込んでんだ。
あの告白以降避けられまくってるし、あっちから俺に近づくはずねぇってわかってただろ。
別にあいつに話しかけられなくても関係ねぇし。
面倒なことが減ってよろこぶべきだろ。
「あのね、さっき委員会で決まったことなんだけど……相松くんに文化祭で体育館ステージのエンディングを頼みたいの」
「……は?」
文化祭のステージのエンディングって、毎年すげーってうわさのやつだろ?
それを俺が?
なんで?
「円がエンディングやんの?すげーじゃん!」
「寧音ちゃんの提案なんだよ。相松くんのバイオリンはすごいからって」
「あー、バイオリンかー。そういや円ってコンクールとか昔めっちゃ出てたよな~」
……発案したのあいつかよ。
俺のこと避けてるくせして、ちゃっかりエンディングに提案してんじゃねぇよ。
「寧音ちゃん、熱く語ってたよ。相松くんのバイオリンが大好きなんだね……」
委員会で語るなよ。恥ずかしい。
『円くん!昨日バイオリン弾いてたよね!?』
『少しだけな』
『すっごく上手だね!!』
あいつのほめ方はドストレートすぎて
毎回痛いくらい刺さった。
あの素直さがうらやましくて、うれしかった。