もうそばにいるのはやめました。
ワンコな執事
青い空!白い雲!
まさに文化祭日和!!
「ようこそ、わが校の文化祭へ!」
校門前で文化祭のパンフレットを配る。
開場時間からここに立ってるけど、すでに多くの来場者が遊びに来てくれてる。
お父さんとお母さんはあいにく仕事。
バイト先の店長と奥さんはちょうどさっき来てくれた。
パンフレットを手渡ししたとき、ちゃっかりメイド執事喫茶をおすすめしちゃった。
「寧音ちゃん、お疲れさま」
「ナツくん!お疲れさまです!」
「ずっと立ちっぱなしで大変じゃない?」
「ううん全然!お客さまとお話できて楽しいですよ!」
たぶん大変なのはナツくんのほう。
なんてったって文化祭実行委員の委員長だし。
わたしより何倍も仕事があるんだろうな。
「頑張り屋な後輩に、はい」
「へ?……はうっ」
「ごほうび」
口になにかを入れられた。
……甘い。
チョコレートの味。
「おいしい……!」
お昼どきだったしちょうどお腹空いてたからなおさらおいしい!
「でしょ?うちのクラスで売ってるチョコバナナだよ」
「チョコバナナ?」
「バナナにチョコレートをコーティングしたもの。うちのとこは一口サイズにしてるから食べやすいでしょ?」