もうそばにいるのはやめました。
不安がきれいさっぱり吹き飛ぶ。
指をぎせいにしてまで作ってよかったよ!
「とびきりかわいい寧音ちゃんには入口を任せようかな。テーブルが空いたらお客さんを案内してくれる?」
「入口ね!わかった!」
昨日の準備時間でシミュレーションはばっちり。
それにほめられたからやる気も十分!
なんでもお任せあれ!
早速出入口の扉前に立つと、
「あの、すみません」
列の先頭に並んでる女の子のグループに声をかけられた。
「どうなさいました?」
「相松くんって今いますか?」
「彩希くんは!?」
「もしいたらその2人にもてなされたいんですけど……!」
「どっちかでいいんで!!」
迫力がすごい……!
キラキラじゃなくてギラギラしてる。
円と武田くんって本当に人気だなぁ。
「も、申しわけございません。ただいま2人は外に出ていまして……」
「え」
「ふ、2人とも!?」
「ショック……」
「しゃべりたかったな……」
全員うなだれて落ち込んだ。
ど、ど、どうしよう!
テンション下げちゃった!
たしか仕事で作ったクラスのシフトだと、2人は30分前くらいから宣伝に行ってるはずから……。
「あっ、あの!で、ですが、もう少ししたら戻ってくると思いますよ!」