もうそばにいるのはやめました。


『言っとくが、俺はまだあんたがここに住むこと認めてねぇからな』



相松さんんん!?

『いかがでしょうか』なんて笑顔で提案しておいて話がちがうんですけど!


もしかしなくてもわたし、彼に嫌われてるんじゃ……!?




『え、えっと……あっ、お母さまは?わたしご挨拶に……』


『いねぇよ』


『え?……あ、お出かけですか?』


『チッ。あいつから何も聞いてねぇのかよ』




また舌打ち。


初対面の相手にその態度はちょっと傷つく。



『聞いてないって……』


『母さんはだいぶ前に死んだ』



それだけ言うと背を向けてリビングのほうへ行ってしまった。



死んだ?

そんなの、相松さんは一言も……。


そういえば、とっても狭い玄関には彼の物と思しき男物のスニーカーしかない。



本当にいないんだ……。



……って、ちょっと待って。

ということはつまり。



『これから2人きりで生活しなきゃいけないの!?』



年頃の男女が!?
ひとつ屋根の下で!?


同居!?!?



『ウソでしょ!?』


『うっせぇよ!!』



リビングに行ったばかりの彼が、わざわざ戻ってきて怒鳴り散らした。




これがわたしと円の

最低最悪な


同居の始まり。



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