もうそばにいるのはやめました。
2人って相性悪いのかも……?
「えー!円くん、行っちゃうの!?」
「やだー」
「俺だけじゃ不満?」
「不満じゃなぁい!」
「彩希くーん!こっち見て〜!」
こっちでは険悪、あっちではハーレム。
熱帯と寒帯が同じ場所に存在してるみたい。
どうしよう!どうしよう!
わたしはどうしたらいいの!?
のんきな武田くんをよそに困惑していると、入口から穂乃花ちゃんの姿を捉えた。
制服姿の穂乃花ちゃんが列を整えてから、教室を覗く。
「戻ってきたよ。着替えたら接客するね」
穂乃花ちゃん!救世主!!
「あっ、相松くん、ちょっといい?エンディングのことで話があるの」
手招きされて円が一旦教室をあとにした。
室内の雰囲気が凪いでいく。
「わ、わたしも着替えてくるね!ハルくんはケーキでも食べながら待ってて!」
2組のグループを案内したあと、わたしも教室を去る。
教室からやや離れた廊下の脇で、円と穂乃花ちゃんが話していた。
「それでね委員長から伝言なんだけど、エンディングが始まる10分前にステージ横にいてほしいんだって」
「わかった」
無意識に足が止まっていた。
……お似合い、だなぁ。
絵になる、ってああいうことを指すんだろうな。