彩りのある場所で、恋を
「先生!それ、何描いてるの?」
美術部の女子が先生に話しかける。玉井先生は紙を俺たちに自信満々で見せた。えっと……これはウサギ?
「犬を描いてみました!あと、オバケも描いてみましたよ」
自信満々に先生は言うけど、犬はウサギ、オバケはおたまじゃくしがカエルになりかけているやつにしか見えない。思わず俺は笑ってしまった。
「先生、見えないです。こう描くんですよ」
俺は先生の描いた絵の隣に、犬の絵とオバケの絵を描いた。玉井先生は「なるほど、そう描くんですね」と俺が絵を描く様子をジッと見つめる。
「絵が苦手なので、みなさんに特訓していただきたいです」
玉井先生がそう言ったので、美術部の活動は玉井先生の画力を鍛える部活になっていた。
そんなある日のこと、俺は図書室で伝統色についての本を借りて美術部の活動が始まる時間まで本のページをめくっていた。伝統色というのは、日本文化特有の色彩感覚に基づいた色だ。
「こんな色もあるのか……」
美術部の女子が先生に話しかける。玉井先生は紙を俺たちに自信満々で見せた。えっと……これはウサギ?
「犬を描いてみました!あと、オバケも描いてみましたよ」
自信満々に先生は言うけど、犬はウサギ、オバケはおたまじゃくしがカエルになりかけているやつにしか見えない。思わず俺は笑ってしまった。
「先生、見えないです。こう描くんですよ」
俺は先生の描いた絵の隣に、犬の絵とオバケの絵を描いた。玉井先生は「なるほど、そう描くんですね」と俺が絵を描く様子をジッと見つめる。
「絵が苦手なので、みなさんに特訓していただきたいです」
玉井先生がそう言ったので、美術部の活動は玉井先生の画力を鍛える部活になっていた。
そんなある日のこと、俺は図書室で伝統色についての本を借りて美術部の活動が始まる時間まで本のページをめくっていた。伝統色というのは、日本文化特有の色彩感覚に基づいた色だ。
「こんな色もあるのか……」