ポップコーンみたいな恋
紗夜の心配そうな顔が可愛くて、頭を撫でた。小さい頃、柚葉にも何度も頭を撫でたっけ。

「そう言えば、大野さんは優真君と仲が良いよね。あの二人、美男美女で可愛い高校生カップルって感じでお似合いだよね」

「はぁ?どこが?お似合いじゃないない、全然ない!」

俺は必死に全否定する。

「そうかなぁ?私はお似合いだと思うよ?噂をすればほら…!」

中庭で弁当を食べていた俺達の横を二人は何気なく通りかかったが、俺達の存在に気付いて居ないのか、はたまた気付いていても無視してるのか分からないが声はかけられなかった。

アイツと一緒に居る柚葉は楽しそうに笑っていて、昨日の泣き顔なんて記憶から消えてしまいそうな程に良い笑顔だった。

柚葉の長い髪が太陽に照らされて、更に茶色くなり、キラキラと輝いていた。

放課後、紗夜と一緒に帰る前に柚葉の元へと向かった。明日がテスト最終日なので今日は部活はない。

「柚葉…」

声をかけようとしたら、隣には小野が居た。

「優真、テスト勉強しないの?」

「授業ちゃんと受けてるからよゆー、よゆー。何なら図書館行って一緒に勉強しよっか?」

「優真は学年3位以内にはいつも入ってるもんねー。教えてもらおっかなー?」
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