ポップコーンみたいな恋
楽しそうに二人で話していて、俺の存在に気付きもしない。柚葉は瞼の腫れも取れて、にこやかに笑っている。

柚葉はいつも俺の隣に居たのに。

俺以外の男が柚葉の笑顔を引き出しているなんて…考えたくもない。

「…祥平君、大丈夫?」

一緒に帰ろうと誘いに来た紗夜が心配そうな顔をして、声をかけてきた。

「あ、あぁ…」

「気になるなら、大野さんのとこに行って来ていーよ。私は待ってるから。…ね?」

「ごめん、ちょっとだけ行ってくる!」

振っておきながら、柚葉が他の男といるのも許せないなんてどうかしてるな、俺。紗夜を置き去りにして、あの二人に駆け寄る。

「おい、柚葉。テスト前なんだからウロウロしてないで帰れよ」

「あ、祥平!でもね、図書館で優真に勉強教えて貰うの。ねー、優真」

「ねー、柚葉ちゃん」

二人は一致団結して俺を欺いているかの様な態度をしている。腹ただしい。

「勉強なら俺が教えてやる!」

「えー…いいよ。祥平よりも優真の方が教え方が分かりやすいから」

そう言われたら何も言えない。
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