ポップコーンみたいな恋
優真が明るく振舞ってくれるから救われてる。祥平と女の子の事は見間違えだって思いたい気持ちもあるけれど…きっと見間違えなんかじゃない。私が祥平を見間違えるはず無いもの……。

「あー、歌ったー。喉ガラガラ…」

「優真、上手なんだね。本気で歌手とか目指したら?」

「俺、スカウトされた事あるよ。モデルだけど…」

「凄いじゃん!初耳ー」

「……俺も初めて言ったし。でも断った。将来、まだまだ決めたくないもん」

「そうだよねー」

3時間、思い切り歌って外へ出た。暗くなったので優真が自宅付近まで送ってくれる事になり、お互いに祥平の話題は出さずに駅まで歩く。

電車を降りて改札口を通り過ぎ、自宅の前で優真とはバイバイした。玄関のドアを開ける前に左隣に建つ家の祥平の部屋の明かりを確認する。

明かりはついてるから、部屋に居るよね。

優真の後ろ姿を見送り、見えなくなってから祥平の部屋に上がり込んだ。御両親は帰ってなく、祥平一人が部屋に居た。

「柚葉…、ごめん、今日…」

「言わなくていいよ。でも…」

覚悟を決めよう。決めなきゃ、前に進めないから……。
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