この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「はぁ」
夜、自分の部屋でベッドに横たわりもらったのど飴を眺めながらため息の連続。
あのあとからずっと、最後に見た日向くんの優しい笑顔が頭から離れない。
目を閉じのど飴を胸に抱きながら日向くんと初めて会った日のことを思い浮かべる。
それは約一年前の中三の夏休みで、受験で毎日のように塾に通っていた日の帰りだった。たまたま立ち寄ったコンビニでお店の前にたむろしていたガラの悪い高校生に絡まれたのが事の始まり。
『いいじゃん遊びに行こうよ』
金髪の男子が両脇に立ち顔を覗きこんでくる。
『は、離してください』
『いいからいいから。ね?』
『痛い思いしたくなかったら素直に従えよ』
彼らは強引に私の腕をつかんでどこかに連れて行こうとした。必死に抵抗したけど力で敵うわけなくて、恐怖で体が震えた。
涙が出そうになってうつむきかけたとき低い声が聞こえた。
『嫌がってるだろ』
『はぁ? なんだよ、おまえ』
『やっべ、こいつ日向晴臣じゃん』
『え? あの日向?』
『離せよ』
私の手をつかんでいた金髪男の腕を軽くひねり上げてヒヤリとするほどの低い声を発する日向くん。
冷たい視線にヒヤリとした。
『わ、わかったからそんなに睨むなよ。とにかく落ち着け。おい、行くぞおまえら』
金髪男は日向くんのオーラに気圧されたのか逃げるように去って行った。
ヒーローみたいな日向くんとまさに少女漫画のような出会いを果たした。
動揺していたからお礼もうまく言えず、ただ立ち尽くすだけだった私。