この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
ふたり、見上げた青空
スイーツビュッフェの会場を出てからは、なんとなく雰囲気が重苦しくてお互いに無言だった。美味しかったはずなのに、晴くんを傷つけたかもしれないことが心苦しい。
私はなにがしたいんだろう。晴くんにはそばにいてほしいのに、でもそれは彼を傷つけることになってしまう。
苦しめたいわけじゃないのに、そばにいてほしいのはただの私のワガママだ……。
「このホテル、最上階がガーデンになってるみたいだけど覗いてみるか?」
「え? そう、なの?」
「ひまが行きたいなら、俺はどっちでもいいから」
「行く……!」
「了解」
晴くんがエレベーターのボタンを押した。上昇を始めるエレベーター。
ここにくるときは繋がれていた手が今は離れてしまっていることに、寂しさを覚える。
触れたいって、晴くんもこんな気持ちだったのかな。私も今、晴くんに触れてほしいと思ってる。
だけど自分からは勇気がなくて言えるわけもなく……。
最上階のガーデンは緑があふれた日本庭園のような造りだった。晴天だということもあって暑いけれど、渋い素敵な空間がすごく落ち着く。
日陰にいれば風が通るのでそこまで暑さは感じない。
「すごいね、ここ」
「ちがう世界にきたみたいだな」
「うん!」