この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
次の日、バスの中ではいつも通りの晴くんだった。キスしたからといって緊張していたのは私だけだったようで、なんだか少し拍子抜け。
動揺して眠れなかった自分が恥ずかしい。
「へえ、それでそれで?」
学校に着くと、嬉々とした顔で美奈ちゃんと苑ちゃんが詰め寄ってきた。話題はもちろん、晴くんだ。学校祭の一件以来、噂が広まってしまい、毎日のように根掘り葉掘り聞かれるの。
「付き合ったんだ?」
美奈ちゃんの言葉に小さく頷く。はっきり言葉で言われたわけじゃないけど、きっと多分そう。
「きゃあ! おめでとう〜!」
「ひまちゃんもついに彼氏持ちかぁ!」
「ひまり……」
苑ちゃんは心配顔を見せた。でも、すぐに笑顔になる。
「おめでとう。日向くんのこと、信じるよ。なにより、ひまりが幸せそうだからね」
「そ、苑ちゃん……」
「でも、ひまりの笑顔を奪うようなことがあったら全力で引き離す」
力こぶを作った苑ちゃんの目は真剣だった。そこまで心配されるのはうれしいやら、情けないやら、複雑だ。
「ありがとう、苑ちゃん。今まで黙っててごめんね」
「いいよ〜、ひまりの秘密主義は今に始まったもんじゃないしね」
「秘密主義ってわけじゃないけど」