この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

次の日、バスの中ではいつも通りの晴くんだった。キスしたからといって緊張していたのは私だけだったようで、なんだか少し拍子抜け。

動揺して眠れなかった自分が恥ずかしい。

「へえ、それでそれで?」

学校に着くと、嬉々とした顔で美奈ちゃんと苑ちゃんが詰め寄ってきた。話題はもちろん、晴くんだ。学校祭の一件以来、噂が広まってしまい、毎日のように根掘り葉掘り聞かれるの。

「付き合ったんだ?」

美奈ちゃんの言葉に小さく頷く。はっきり言葉で言われたわけじゃないけど、きっと多分そう。

「きゃあ! おめでとう〜!」

「ひまちゃんもついに彼氏持ちかぁ!」

「ひまり……」

苑ちゃんは心配顔を見せた。でも、すぐに笑顔になる。

「おめでとう。日向くんのこと、信じるよ。なにより、ひまりが幸せそうだからね」

「そ、苑ちゃん……」

「でも、ひまりの笑顔を奪うようなことがあったら全力で引き離す」

力こぶを作った苑ちゃんの目は真剣だった。そこまで心配されるのはうれしいやら、情けないやら、複雑だ。

「ありがとう、苑ちゃん。今まで黙っててごめんね」

「いいよ〜、ひまりの秘密主義は今に始まったもんじゃないしね」

「秘密主義ってわけじゃないけど」

< 105 / 242 >

この作品をシェア

pagetop