この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「う、うん……!」
「そっか。出遅れたな。なんかあったら遠慮なく俺に相談して」
そう言い残して去って行く福島くん。苑ちゃんといい福島くんといい、みんな心配性だな。福島くんは席に着くと早速クラスメイトに取り囲まれて、いつものように笑っている。
「福島のヤツ、あれで結構ショック受けてるよね」
「ね〜、ひまちゃんにがんばってアピってたのに」
「当の本人、まったく気づいてないしね」
「あわれ〜!」
「え? どういうこと?」
「いいのいいの、ひまりはなにも気にしなくて。日向くんとラブラブしてなさい」
「いいなぁ、ひまちゃん。北央のプリンスとラブラブだなんて羨ましすぎる」
「なに言ってんの、美奈ちゃんも彼氏がいるじゃん」
そう、美奈ちゃんには彼氏がいるのだ。それもイケメンの大学生。一度学校まで迎えにきてたのを見かけたけど、爽やか系の優しそうな人だった。
「へへ、まぁね。でも日向くんは目の保養っていうか、アイドル的存在なんだよね」
「アイドルっていうガラかなぁ?」
眉をひそめる苑ちゃん。
「クールで無愛想なところがいいんだよ〜!」
「えー!」
私を置いて進んでいく会話。
ふと視線を感じて振り返ると、遠くから福島くんがこっちを見ていた。
「ふふ、ひまりのことめちゃくちゃ気にしてるね」
視線に気づいたらしい苑ちゃんがニヤッと笑った。
「福島くんって、苑ちゃん以上に心配性なんだね」
特別仲がいいってわけでもない私のことを、ここまで気にしてくれるなんて。
「いや、そうじゃないから。でもま、ひまりは気にしなさんな」
そのときちょうど予鈴が鳴って、苑ちゃんと美奈ちゃんが席へと戻って行く。来週からテストかぁ。昨日は一日勉強が手につかなかったから、今日からがんばらなきゃ。