この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「佐々野さん、キッチン入って」
「はい、わかりました!」
怒涛のような昼時をすぎたかと思えば、次はいわゆるティータイムの時間。駅前だというのもあり、客がひっきりなしに出入りする。
「日向くん、これ六番テーブルにお願い」
「了解」
アイスカフェラテをふたつとフレンチトーストをトレイに乗せて指定されたテーブルへと運ぶ。このカフェの最大のウリは最高級のフランスパンを使用したフレンチトーストだ。
ティータイム時には必ずといっていいほど、ほとんどの客がそれを注文する。二度目のラッシュが終わると、もうほとんど客はこない。
だからそれまで耐えろ、俺。
閉店間際の二十時前、時計を見ながら店内を行ったりきたり。早く終われ、早く。
「晴臣はなにをそんなにそわそわしてるんだ?」
叔父さんがからかうように笑う。親父に似て温厚な大人の男性だ。
「べつに、なんもねーよ」
「いーや、変だね。佐々野さんもそう思うだろう?」
「えっ?」
急に話を振られた佐々野は洗い物する手を止めて顔を上げた。
同じクラスの佐々野美優、だったか?
偶然にもこいつは春からここでバイトしていたらしい。