この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「日向くんは最近彼女ができたらしくて、それでそわそわしてるんだと思いますよ」
「は? 佐々野、おまえ……」
なに暴露してんだよ。
「ふふ、だって本当でしょ? クラスのみんなも噂してるし」
「おー、晴臣! そうなのか?」
「そんなんじゃねーし!」
口ではそう言うものの、ひまの顔が浮かんでドギマギする。
「赤くなりやがって、こいつ〜! かわいいヤツめ!」
「ばっ、だからちがうっつってんだろっ」
「照れるな照れるな」
あー、うぜぇ。
叔父さんに知られたら、絶対に家族にもバラされる。それだけは阻止しなければ。
「佐々野、おまえのせいだからな」
こいつ、マジでなに考えてんだよ。
「あは、ごめんごめん。でも態度にですぎだよ? あんがいかわいいとこあるよね、日向くんって」
はぁ?
「うざ……」
「そう怖い顔しないでよ」
「誰のせいだよ、誰の」
なにを言ってもへこたれない佐々野は、ある意味強靭な神経の持ち主だ。なぜだか姉ちゃんとかぶってうんざり。だから苦手なんだよな、女子って。
ため息まじりにロッカールームへ引っ込む。着替えを済ませて外に出ると、あたりはうっすら藍色に染まっていた。
「お疲れさま、また明日ね!」
ムカつくヤツだけど、シカトするのもな。
「じゃあな」
適当に佐々野に返して、チャリにまたがる。そして強くペダルを漕いだ。