この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

「晴くん、お疲れさま」

バイト帰りにマンションに通うのが日課になった。ちょっとでも顔が見れると、疲れなんて一気に吹き飛ぶ。ひまの笑顔が今の俺の原動力だ。

「今日も忙しかった?」

「うん、マジで疲れた……」

「きゃあ」

マンションのエントランスだと目立つため、狭い脇道へそれる。途中でつまづきそうになったひまの身体をとっさに支えた。

「大丈夫か?」

「ごめんね、ありがとう」

てへっと舌を出して笑う顔に心臓が撃ち抜かれた。男の俺とはちがって、折れてしまいそうなほどの細い腕も、日焼けしてない真っ白な肌も、透き通るように澄んだ声も、こいつの全部にドキッとさせられる。

触れたら離したくなくなって、つい手を握った。すると同じように握り返してくれる。照れたように笑う横顔がたまらなくかわいい。

ニヤけそうになる口元を隠すと、クスッと笑われてきっとバレバレなんだろう。

ひまはふんわりしてるように見えるけど、ときどきツラそうに笑っていることがある。見てるこっちが心配になるくらい、今にも折れてしまいそうなときがある。

そんなときは隣で支えてやりたい。

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