この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「し、しないの……?」
「え?」
「キ、キス……しないの?」
恥ずかしそうにうつむくひまの姿に、心臓がわしづかみされたみたいになる。
ひまはゆっくりと顔を上げて上目遣いに俺を見た。緊張からだろうか、手が小刻みに震えている。
人の我慢なんて知らずに、あっさりそれを突き破ろうとする潤んだ瞳。小悪魔かよ、こいつは。
触りたい気持ちを抑えきれず、ひまの手に指を絡めて握った。そしてゆっくり顔を近づけ、小さな唇にそっと触れる。
ピンと背筋が伸びて強ばる身体。チビのくせに、必死に顔を上げる姿が愛しくてたまらない。
もう一度軽く触れてから、屈んで額を合わせた。
「そんなに俺とキスしたかったんだ?」
「えっ?」
動揺してあからさまに左側にそれる視線。赤くなっていく顔にまん丸く膨らむ頬。勝ち誇った顔で笑うと、ムッとしてスネたような表情になる。その顔が見たくて、俺は……。
「晴くんの……意地悪」
うん、わかってるよ。
けどさ、俺の気持ちもわかってよ。
ひまのその顔が見たいんだって。
「でも、そんなところも好きだよ」
「……っ」
ヤバい。意地悪するつもりが、逆にドキドキさせられてる。幸せすぎて、このままどうにかなりそうだ。
照れたように笑うひまに、もう一度キスをした。