この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
吐き出せない言葉の代わりに拳をキツく握った。見えないモヤモヤが胸の奥底に蓄積していく。
お父さんも帰ってきて、玄関先に立っている私を見て驚いた顔をする。
「どうしたんだ?」
「ひまちゃんが最近夜出て行くものだから、心配してたのよ」
お父さんは大手企業の会社役員で毎日クタクタになって帰宅する。あまり会話はないけど、母親を通じて私のことは知られている。
「そうなのか?」
「お友達に会ってるだけだって言うんだけど、心配で……」
「ひまり、お母さんをあまり心配させるんじゃない」
うっとおしいよ、そういうの。
黒い感情が今にも爆発してしまいそう。でも私は必死に唇を噛んで耐えた。
「ごめん、なさい……次から気をつける。じゃあもう寝るね。おやすみ」
それだけ言って部屋へと逃げた。
母親からの視線がチクチク突き刺さっていたけど、気づかないフリをした。大丈夫、きっとまた明日からうまく笑える。
そう言い聞かせてベッドに入り目を閉じた。