この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

コンコンと部屋がノックされる音が響く。

窓際から小鳥のさえずりが聞こえて薄目を開けると、カーテンの隙間から陽光が差しているのがわかった。

どうやら今日も晴れらしい。

「う、ん……」

「ひまちゃん、起きてる?」

頭が重くてボーッとする。なんならまぶたも重くて下がっていきそう。

「そろそろ起きなきゃ遅刻するよ」

「え……?」

遅刻……?

遅刻……!

「もう朝!?」

ようやく意識がはっきりしてきて、布団をはねのけベッドから勢いよく起き上がる。壁掛け時計に目をやると家を出る十分前だった。

「わ、やばっ」

「ひまちゃん? 起きた?」

「うん、起きた!」

「よかった。朝ごはん用意しておくから早くね」

ドアの向こうから聞こえる声に返事をしている余裕はない。パジャマから急いで制服に着替える。

チェック柄の青色のプリーツスカートにカッターシャツ、ワインレッドのリボン。ブレザーはベージュでベストは紺色。

制服の組み合わせがとてもかわいくてすごく気に入っている。高校生になりたての頃は毎朝鏡を見てうっとりしてたっけ。

一カ月も経てば見慣れた感はあるけど、それでもやっぱりかわいい。

メイクはグロスを塗る程度でほぼスッピン。肩甲骨まで伸びたストレートの髪も、ブラシでとかして簡単にセットする。

そしたらいつもの私の出来上がり。

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