この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
第四章〜きみがいたから〜
弱さと強さ
晴くんの誕生日から一週間、九月になり夏休みが明けた。あっという間の夏休みだったような気がする。晴くんはバイトを続けるようで、電車で帰ることが増え、朝しか会えない日が続いた。
寂しいけど、仕方ない。毎日連絡をくれるから、我慢できた。でもふとしたときに考えちゃう。今頃、なにやってるのかなって。
こんなとき、同じ学校だったらずっと一緒にいられるのにな。
「ひまちゃん、今日久しぶりにカフェ行かない? あそこのフレンチトーストが食べたいな」
「ごめん、美奈ちゃん。今日はなんだか疲れちゃって。また今度でもいいかな?」
「え、大丈夫?」
「うん、ゆっくりすればすぐに回復すると思う」
「そかそか、じゃあ早く帰って休んで。元気になったら行こっ!」
「うん、ありがとう」
カバンを持って立ち上がり教室を出る。疲れのせいか足元がおぼつかなくてフラフラだった。貧血かな。そんなときは寝れば治るから、早く帰って横になりたい。
バスの中で目を閉じていると、少しだけ楽になった気がした。
家に帰ると着替えもせずに、部屋のベッドに横たわる。するとすぐに意識がなくなり、夢の中へと引きずりこまれた。