この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
フレンチトーストを食べ終えてカフェを出た。あたりは夕焼け色に染まっている。
帰り際、晴くんは忙しそうで話す余裕がなかった。あとで連絡すればいいかと思って、特に気にすることなくカラオケへ。
美奈ちゃんはバラードを歌いながら泣いていた。
「まだめちゃくちゃ好きだよぉ……っ」
「美奈ちゃん……」
震える身体を優しく抱きしめる。泣きながらでも歌って、美奈ちゃんは最後には笑っていた。
「ごめんね……ひまちゃん。みっともないとこ、見せちゃった」
「ううん! いくらでも付き合うから、ツラいときは言ってね」
「ありがとう……」
またうるうるしてる美奈ちゃん。
「なんだか、初めてひまちゃんと本音で話せた気がする。いつも相槌打ってるだけだったし?」
「そ、それは……」
「合わせてるだけなのかなって思ってたけど、なんでもズバズバ言っていいんだからね。あたしたち、友達でしょ?」
「うん……そうだよね。ごめん」
「責めてるわけじゃないの。ただ、聞きたくもない話を無意識にしてたらどうしようって、これでも一応気を遣ってるんだ」
「そんなわけないよ。美奈ちゃんの話は、いつも面白いもん」
「あたし、噂話が好きだけど人の気持ち考えないで言っちゃうところがあって……中学のとき、トラブルになったりもしたんだよね。だから気をつけてたのに、ひまちゃんや苑ちゃんといると楽しくて、つい言っちゃうんだ。北央のプリンスの話とか、めちゃくちゃしてたよね。ごめんね」