この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

「ひまちゃん、起きてる?」

コンコンとノックされてハッとする。

最悪、寝すぎた!

飛び起きると、いきなり起き上がったせいか目の前が真っ暗になった。足から力が抜けて、ベッドへ倒れこむ。

身体が重い、ものすごく。頭がフラフラして、目の前がボーッとする。暑くて汗をじっとりかいていた。

「三十八度、か。今日はゆっくり寝てなさい」

熱のせいで頭がうまく回らない。おでこに触れるぎこちない手が、ゆっくりと私から離れた。ああ、ツラい。

「昨日遅くまで遊んでるからよ。今度からはもう少し早く帰って……」

「ねぇ……そこに四つ葉のクローバーの栞、ある?」

「栞? どこに?」

「机の上、だよ。とって」

「あったわ、これね。はい」

「ありが、とう」

ギュッと握って、目を閉じた。そしたらお母さんに包まれているようで安心する。白血病で入院してたときも、よくこうして寝たっけ。そうすると不思議と眠れるんだ。

いつの間にか寝てしまい、目が覚めると夕方だった。窓からオレンジ色の光が差し込んでいる。

さっきよりはずいぶん楽だけど、それでも身体はまだ重い。食欲もなくて、動く気にもなれない。

何気なくスマホを見ると、晴くんや苑ちゃん、美奈ちゃんからメッセージが届いていた。

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