この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

帰り支度を整えて学校を出る。

「お疲れ」

「うん、お疲れさま」

定位置であるふたりがけの席に並んで座る。バスはゆっくり発車して、約三十分間晴くんと一緒なのがうれしい。

でも、揺られていると眠気が襲ってきた。

最近帰りのバスでは眠くて仕方ない。いつの間にか晴くんに寄りかかりながらウトウトしていたようだった。

わ、私……今、寝てた?

パッと離れて姿勢を正す。一緒にいるのに寝ちゃうとか、最低。しかも、重かったよね?

「ご、ごめんねっ」

「いや、全然」

「私、マヌケな顔で寝てたでしょ?」

うわー、変な顔してたらどうしよう。

「普通にかわいかったけど」

クスクス笑う晴くんは、怒ることなくいつも通りの表情だ。

「か、かわいいって……」

そんなにシレッと言わないでほしい。いつも通りの照れ顔。そんな私に晴くんは満足そうに笑った。

「そういえば、来月はひまの誕生日だな。どこ行きたい?」

「覚えててくれたの?」

「そりゃ覚えてるだろ。行き先、考えといて」

「うん!」

楽しみだな。

晴くんは私があげたブレスレットをずっとしてくれている。今ではしていないと落ち着かないんだって。

毎日の出来事を話すのは私の役目。晴くんは相槌を打ちながら面倒にする素振りもなく黙って聞いてくれた。

そして必ず私の最寄りで一緒にバスを降りてマンションの下まで送ってくれる。

晴くんと一緒にいると、手を繋ぎながら歩く帰り道が、穏やかな横顔が、どこまでも果てしなく続いている青空が──。

全部、輝いて見えたの。

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