この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
あの日向くんと話してるなんて未だに嘘みたいだよ。
ためしに手の甲を軽くつまんでみたけど、痛さは本物でこれは夢なんかじゃない現実だとわかる。
うう、顔が熱い。それにドキドキする。
私の心臓、日向くんにだけなんだかおかしい。
恥ずかしさでいっぱいになり、とりあえず前を向く。そして肩にかけていたカバンをそっと膝の上に下ろした。すると、ヒヤッとした感覚が。
え、なに……?
「きゃあ」
スカートが濡れていた。原因はどうやらカバンの中にあるらしい。
すぐさまたしかめると、カバンの底が見事にビチャビチャだった。
「うわー、やっちゃった……」
どうやら朝あきくんから受け取ったマグボトルのフタがちゃんとしまっていなかったようだ。走った拍子にカバンの中で倒れて中身が漏れたらしい。
教科書やノート、カバンの中が悲惨なことになっている。
「た、タオル……」
中を探るけど朝急いでいたこともあって、どうやら忘れたみたいだと悟る。ああ、いいことないな。寝坊した私が全部悪いけど、本当についてないよ。
「よかったらこれ使って」
「え……?」
ガクッとうなだれた私の目の前に差し出されたきれいな真っ白いタオル。思わず顔を上げると通路を挟んだ反対側から、日向くんがこっちに手を伸ばしていた。
「ないんだろ? タオル」