この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。

──ピカッ

ゴロゴロゴロゴロゴロ。

ポツポツと降り出した雨は一瞬でアスファルトを濃く染めた。どんより曇る灰色の空を、うんざりしながら見上げる。

土曜日の午後、私はひとりで駅にいた。到着して間もないけれど、駅の中は突然の雨を避けようとしている人でいっぱいだ。

天気予報では降水確率が三十%だったのに、降ると思ってなかったから傘は持っていない。

ズキン。

頭に電流が走ったように痛んだ。駅まではゆっくり歩いてきたというのに、それだけで疲れてしまっている。回復したと思ったのに、まだ弱っているのかな。

立っているとめまいがして、さらには雨で気温がグッと下がったからなのか肌寒くて身震いする。

するとスマホが震えてメッセージが届いた。

『ごめん、ひまちゃん』

『おばあちゃんが突然倒れて今日行けなくなっちゃった』

『ほんっっっとにごめんね』

美奈ちゃんからだ。ポンポンと続けざまにメッセージが届いて、最後には涙を浮かべて土下座しているクマのスタンプが貼りつけてある。

いつもはこれでもかってくらい文面にも絵文字を使ってくれるのに、今日はシンプルに文字だけだ。それだけで緊急事態なんだとわかった。

< 150 / 242 >

この作品をシェア

pagetop