この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
『それは大変!私のことは気にしないで!お大事にね!』
するとまたクマのスタンプが返ってきた。
美奈ちゃんに誘われて映画に行くつもりだったけど、予定がなくなってしまった。理由が理由なので仕方ない。
ザーッと降りしきる雨を見ていると帰る気も失せる。とにかく疲れたからどこかで休憩しようかな。そう思ってやってきたのは、晴くんのバイト先のカフェだった。めまいがおさまらず、足元がふわふわする。
ドアを開けると晴くんの叔父さんが笑顔で出迎えてくれる。
「いらっしゃい、ひまりちゃん」
「こんにちは。少し雨宿りさせてください」
「もちろんだよ、座って座って」
「ありがとうございます」
「あ、いらっしゃい」
奥から佐々野さんが顔を出した。長い髪をひとつに結んで、キリッとした品格のある彼女。美人で性格もよくて、屈託のない笑顔がかわいい。
「雨大変だったね。寒くない?」
「突然降ってくるから焦った。少し寒いけど、大丈夫だよ」
佐々野さんとは何度か顔を合わせているうちに仲良くなった。
「これ、よかったら使ってね」
カウンターの空いた席に座るとブランケットを持ってきてくれた。
「ありがとう」
そう言って受け取る。いい子だよね、佐々野さんって。気が利くというか、優しいというか。