この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「え、でも」
とてもじゃないけど日向くんのタオルをかりるなんてできっこない。まっさらでふわふわだし余計に汚せないよ。
「麦茶だから匂いつくし、それに色だって茶色くなる」
「いいから」
「……」
どうしよう。本当にいいのかな。
「困ったときはお互い様だから」
「ありが、とう」
おずおずと手を伸ばしてタオルを受け取る。そのとき指先が軽く日向くんの手に当たった。
「ご、ごめんなさい!」
慌てて手を引っ込めてパッと前に向き直り、かりたタオルでカバンの中を拭く。その間ずっと日向くんから視線を感じた。
かすかに笑う声がしたので目だけを動かしてそこを見ると面白おかしく笑っていた。その顔も色っぽくてカッコいい。
キラキラまぶしくて直視できないよ。
「ウブなんだな」
「え……?」
「や、なんか反応が新鮮っつーか」
「……」
「面白くて」
ドキン。
照れたように笑う日向くんにますます顔が上げられない。
クールでそんなことを言いそうにないのに、動揺してしまい頭がパニックになる。それに日向くんの笑顔の破壊力ときたらとんでもない。
一瞬で目を奪われて、日向くんのことしか見えなくなった。
「名前は?」
「ひまり……桃咲、ひまり」
「桃咲、ね。覚えた」
なんでだろう、日向くんに呼ばれるとそわそわして落ち着かない。
「俺は日向晴臣。よろしくな」
「あ、うん……」
知ってるよ、とは口が裂けても言えなかった。