この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
突きつけられた運命
金曜日の午後、昼休みに母親からメッセージがきた。
『ごめんね、ひまちゃん。幼稚園に延長お願いしてるから、帰りに晶を迎えに行ってくれる?』
『うん、わかった。でも、なんで?』
今までこんなことは一度もなかった。だからなにかあったのかなって、そのときは単純に考えていた。母親からの返信はない。
学校が終わるとバス停ではなく駅へと向かった。幼稚園までは駅からのほうが近いからだ。
確実に病魔に蝕まれているのがわかるほど、重くダルい身体。大丈夫だと言い聞かせることで、なんとか心を保てた。
「あ、お姉ちゃん!」
室内でお絵かきをしていたあきくんが、私を見て駆け寄ってきた。
「今日はママじゃないの?」
「うん、あの人……ママ、は忙しいんだって。だから、ひまちゃんと一緒に帰ろう」
「うんっ!」
単純にあきくんはかわいい。お父さんに再婚相手とまだ三歳だったあきくんを紹介されたとき、目をキラキラさせながら私を見つめるあきくんがかわいくて。私たちはすぐに仲良くなった。
「お姉ちゃん、大好き!」
手を繋ぎながらあきくんが笑う。もう片方の手にはアイスが握られている。パキッと割って食べるアイスをスーパーで買ってはんぶんこした。