この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
次の日、約束どおり晴くんが迎えにきた。貧血でフラフラ状態、立っているのもやっと。
それでも最後だから、必死に気づかれないよう振る舞った。
「どこ行くか決めた?」
「うん。森林公園がいい」
「は? 森林公園?」
怪訝に眉を寄せる晴くん。
「私の好きな場所でいいって言った」
「まぁ、そうだけどさ。もっと他にないのかよ。女子ってテーマパークとか好きだろ?」
晴くんはおしゃれに決めて、大人っぽいブラウンのジャケットに黒のパンツ姿。モデルのようにスラッとしていてカッコいい。
「私にはテーマパークだよ、森林公園が」
「いや、まぁ、いいけどさ。誕生日だろ? もっと思い出に残るような場所に」
「いいの。森林公園に行きたい」
「わかったよ、頑固者」
「ふふ、ありがとう」
ごめんね……ごめん、なさい。
思い出があるぶんツラくなるから、だから、これは私の最初で最後のワガママ。
だからどうか、今日一日で私を嫌いになって。私も……晴くんから離れる覚悟を決める。
「で、なにがしたいんですかね。ひまりさんは」
「ボーッとしよう」
そう言って芝生の上に大の字で寝そべった。手足を伸ばして、空を見る。