この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「なんかあったんだろ?」
えっ……。
「最近っていうか、ここ一カ月ぐらいずっと様子がおかしいから気になってさ」
ざわざわと木々の葉っぱが揺れる。快晴の空に色づく真っ赤な紅葉。とてもきれいなはずなのに、どうしてかなその光景がとても寂しい。
「……っ」
すべてを打ち明けてしまいたい衝動に駆られる。
晴くん、私ね、白血病が再発したの。
明日から入院して抗がん剤治療を受けるんだ。
予後不良、なんだって。
もし、もしも、抗がん剤が効かなかったら……。
そう言ったら晴くんはきっと私のそばにいてくれる。
離れたくない、離れたくなんかないよ……。
晴くんの手が私の頭を撫でた。その温もりにほだされて、喉元まで本音が出かかった。
でも、ギリギリのところで理性が邪魔をする。
「晴くんとは、もう会わない」
重なった手に力がこめられて、晴くんの目を見ていることができなくなった。
「は……?」
晴くんの声がかすかに震えた。眉間に刻まれたシワが徐々に濃くなっていく。意味がわからないと言いたげな表情。