この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
入院して一週間が経った。抗がん剤の影響で食欲がなくなり、一週間で五キロも痩せてしまった。
「おぇっ……はぁ、はぁ」
苦しくてうまく息ができない。吐くものなんて胃にはないのに、吐き気が収まらない。ムカムカして気持ち悪い。
「ひまちゃん……大丈夫?」
「……っ」
大丈夫なわけ、ないよ。でも弱音は吐きたくない。耐えてみせる。まだ諦めてなんかいない。絶対に元気になってみせるんだから。
「ツラいなら、頼ってくれていいのよ?」
「だい、じょうぶ……」
背中をさすってくれる優しい手のひらに涙があふれそうになった。そういえば、お母さんの手もこんな感じだったな。
優しかった、ものすごく。懐かしさが蘇って、胸が痛む。
「それより、今日はもう帰って……? あきくんのお迎えの時間でしょ?」
「そう、ね。でもひまちゃんはそんなこと気にしなくていいの。ずっとそばにいるわ」
「帰って、ひとりになりたいの。毎日きてくれなくていいから」
卑屈な言いかたしかできなかった。笑顔を浮かべる余裕もなくて、頭から布団をかぶる。