この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
クラス委員を努めている福島くんは一カ月半後に控えた学校祭の出し物を決めるときに、みんなの意見をうまくまとめてクラスを取り仕切っていた。
「桃咲さんがなにか変なの?」
「福島くん、なんでもないから気にしないで」
そう言って無理やり話を終わらせ残りのご飯をパクパク食べる。苑ちゃんはそれ以降なにも言ってこなかったけれど、なにか言いたそうな顔をしていた。
日向くんにタオルをかりたのは昨日のこと。
今日洗濯して持ってきてはいるけれど、朝はバスが混雑していてなかなか話すチャンスがなく、返せなかった。
となると帰りのバスなんだけど……会えるかな?
会いたいな、会えたらいいのにな……。
そればっかり考えてたら、ついついボーッとしちゃってたんだよね。
放課後が待ち遠しくて仕方ない。バスが停留所に停まる瞬間、乗っていますようにって願かけしながら乗り込んじゃう。
日向くんに会えますようにって、今の私の頭の中はそればっかり。
まるで魔法にかかったみたいに片時も頭から離れない。昨日は会えなかったから、今日は会えますように……。
放課後ドキドキしながらバスを待った。
十五時四十五分着、椿が丘南口行きの市バス。それは私と日向くんを繋ぐ唯一のもの。