この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
第五章〜きみは私の光〜
それでも俺は〜晴臣side〜
「はーる、おい、晴ってば!」
背中を思いっきり叩かれた。前のめりに身体がぐらつく。
放課後、やる気が出なくて窓の外をぼんやり眺めていた。あの日からまるで時が止まったかのように、なにをしてても実感がない。
「ぼんやりしすぎだぞ。なんかあったのかよ?」
無邪気な笑顔で顔を覗き込んでくる歩。
「ま、なんもなくてもおまえはいつもぼんやりしてるか」
いつもならムキになって言い返していた。でも、今は全部がどうでもいい。反論しない俺を見てキョトンとしている歩は「マジでどうしたんだよ」と首をかしげた。
歩をスルーして机に伏せた。
だけど気配は消えなくて、なにか言いたそうにしているのが伝わってくる。
今は誰かと話す余裕なんてない。一日中授業が手につかなくて、内容なんてこれっぽっちも頭に残っていない。
もうすぐ冬休み前のテストだってのに、勉強もまったく手につかない。
たかが失恋でこんなふうになるなんて思ってもみなかった。