この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「なに暗い顔してんのよ、あんた」
家に帰るといの一番に姉ちゃんが話しかけてきた。
「振られた……」
「えっ?」
「女って、なんで突然……わけ、わかんねーよ」
くそっ、こんなこと言うつもりなんてなかったのに。絶対にからかわれる、いじられて笑われる。わかってるんだ、こいつのこういう性格は。
「もっと詳しく話して」
「は?」
「詳しい状況を教えろって言ってんの。ほら早く。あたしが話聞いてやるから」
いや、意味わかんねーよ。上から目線すぎて失笑。でも誰かにすがらずにはいられなかった。それがたとえ苦手な姉ちゃんでも、俺には救いに思えた。
どんだけ落ちてんだよって、自嘲気味に笑う。でも、もうどうにでもなれ。
「振られたのはいつ?」
「一カ月ちょっと前……他に好きな男ができたって」
「ウソ……じゃああのときはすでに別れてたってこと?」
「なに言ってんだよ? 話が見えない」
「いや、ごめん。気にしないで。でもまぁ、あれだね」
「なんだよ、あれって」
「よく使われる言葉というか、言い訳だよね……」
なぜかそこで黙る姉ちゃん。なにかを考えているような真剣な表情。
「そういえば、あのときちょっと顔が腫れてたような……それに、パジャマに見えなくもない格好してたかも」
「なにブツブツ言ってんだよ」
「もしも、だよ? もし晴を振った理由が他にあったとしたら?」
「は……?」
そう言われてピンとこなかった。
だけど姉ちゃんは確信めいた瞳でまっすぐにこっちを見ている。