この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
その日の帰り、海堂とわかれてからスマホで姉ちゃんに電話をかけた。スマホを持つ手が震えているのは、決して怖いからとかそういうわけじゃない。
「くそっ、なんで出ねーんだよ」
もうすぐクリスマス。陽気なクリスマスソングがあちこちから聞こえてくる。それでも一向に気分は晴れない。それどころかモヤモヤはつのる一方だ。
何度鳴らしても姉ちゃんは出ない。いても立ってもいられなくて、電車で地元に帰った。するとその中で偶然にも歩に出くわし、ヤツは何食わぬ顔で近づいてくる。
「よ、今帰りか?」
「まぁな」
「おまえさ、ひまりちゃんとなにかあったのか?」
「なにがだよ」
「いや、おまえがダメージ受けるのってひまりちゃんのことしかないじゃん。それに、最近ひまりちゃん全然見かけないしさ」
「歩、俺、決めた」
「は?」
「強くなるわ、俺」
歩の肩に手を添え、まっすぐに見つめる。なにがあったのかはわからないけど、やっぱり俺はあいつが好きだ。
「もうだらだらすごすのはやめる。カッコ悪くたって、なりふり構わず生きてやる」
「お、おお! なんかよくわかんないけど、がんばれよ!」