この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
尋常じゃないほど体が熱くて、徐々に顔が赤く染まっていく感覚がした。
「桃咲?」
耳元で優しく名前を囁かれ私の心臓は爆発寸前。
「だ、大丈夫! ごめんね! もうホント、全然大丈夫だからっ!」
赤くなった顔を見られたくなくてパッと顔をそらし背を向ける。こんな顔を見られたら、不審がられるに決まってる。
この前だって面白いって笑われたばかりなのに。なんだか私、変なところばかり見せてるよね?
男友達がいないわけでも、男子と話せないタイプでもないのに、日向くんを前にするといつもの私でいられなくなる。
意識しちゃうと、さらにダメ。せっかく声かけてくれたのに、なにも話せなくてかわいくない態度ばっかり。
「はは」
「な、なんで笑うの?」
「面白いから」
「……」
また、面白いって……。
どういう意味で言われてるんだろう。それ次第でショックを受ける可能性もあるんだけど。
「なにへこんでんの? マジでわかりやすいよな、桃咲は」
「わかりやすい?」
「考えてること、顔にめちゃくちゃ出てる」
「うっ」
ってことは、さっき赤くなってたのも気づかれてた?
だとしたら、恥ずかしすぎる。
どう思ったかな……。
なんて評価ばかりが気になるよ。
「俺、あんまり女子と喋るタイプじゃないけど、桃咲と話してると楽しい」
「え?」
た、楽しい……?
それはかなりうれしい、かも。
やばい、顔がゆるむ。
「あ、そうだ。これありがとう」
カバンの中からタオルを取り出して渡す。
「あー、いつでもよかったのに」
「ううん、借りたものはすぐに返さないとね」
「律儀だな」
日向くんはそう言ってまた小さく笑った。
たったひとことで上がったり下がったりする私のメンタル。
まだ信じられない。ずっと見ているだけだった日向くんと今こうしていることが。