この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
「ひまちゃんがそう呼んでくれて……うれしい」
お母さんがふたり。私の中に大切にしまっておく。天国にいるお母さんは許してくれるかな。
お母さんは笑いながら涙をぬぐった。私が泣いてるのを見て、ハンカチで涙をふいてくれる。柔軟剤のいい匂いがした。まだ少しぎこちないけれど、少しずつゆっくりと私たちのペースで親子になっていけたらいいと、そう思った。
「あー、ママたちなんで泣いてるの? 僕がよしよししてあげるから、泣きやんで!」
「晶……」
あきくんに頭を撫でられているお母さんはとてもうれしそう。私の家族はこんなにも優しさにあふれている。今まで突っぱねて、いらないって拒否して、本音を隠してきた。
「よしよし」
ふわっと乗せられた大きな手のひら。
振り返ると晴くんが立っていた。
「ひまは俺がよしよししてやる」
「は、晴くん、恥ずかしいよ」
「おー、照れろ照れろ」
ガシガシとニット帽の上から手が押し当てられた。
ニッと白い歯を見せて笑う晴くんが、どうしようもないほど好きだ。でも、私は……。
「えっと、日向くんって言ったかな」
「は、はい、日向晴臣です」
「ママ、晴くんだよ。晴くんって呼ぶの」
「そうね、じゃあ晴くん。ひまちゃんを、うちの娘をよろしくお願いします」
「お、お母さん……っ!」