この空の下、きみに永遠の「好き」を伝えよう。
黒い運命
晴くんは次の日もやってきた。ここは地元からも遠くて電車代もかかるし、時間もかかる。それなのに昨日と同じように笑っている。
しかも今日は黒いニット帽をかぶっていた。
「おはよ、ひま。見ろよ、おそろい」
そう言ってニット帽を取った晴くんの姿に思わず驚愕する。
「な、なんで……っ!」
「恥ずかしいっつってたから、俺も同じ髪型にしたら恥ずかしくなくなるかなって。俺ここまで短くしたことないから、めっちゃ寒い」
スキンヘッドの晴くんは何事もないように頬をかいた。そしてベッドのそばのパイプ椅子に座ると、優しく私の手を握ってくる。
冷たい手、きっと外は寒かったよね。今日は一段と寒くなるってニュースで言っていた。
「なんでこんなことするの……っ。バカ、だよ」
「うん、俺もそう思う。でも、ひまのためならなんでもできるんだ」
「じゃあ……死んでって言ったら晴くんは死ぬの?」
「ひまが望むなら」
晴くんがなにを考えているのかわからない。でもそう言った彼の瞳に迷いはなかった。